養蜂の道具

 

 養蜂を始めるのに、ミツバチの群は欠かすことができませんが、蜜源に近い適した場所の他にも、いろいろな器具が必要になってきます。  まず、何はともあれ「巣箱」がないと始まりません。巣箱は世界的に標準となる大きさが決まっており、ほとんどの構造はどれも同じです。友愛では、独自に巣箱を補強し、自社でペンキを塗りロゴを入れて、古くなったものから順次交換しています。


 チェンマイ市内の養蜂器具販売店。

巣箱、薫煙器や巣枠なども購入できる。

手前に見えるのは、採蜜に使う遠心分離器。

 

 

 

 

 

 

ハチミツに欠かせない遠心分離機。

巣を壊すことなくハチミツが取れ、

蜜ロ ウが混入する割合が減るようになった。

また巣枠に巣が残るので、

そのまま巣箱 に戻すことで再利用が可能になった。

 

 

 

 巣箱の中には、「蜜ロウ」の記事でも紹介した「巣枠」と呼ばれる板状の枠を入れます。ミツバチがここに6角形の部屋を作り、ハチミツや花粉を貯めます。一つの巣箱には巣枠を8枚入れ、ローヤルゼリーを採乳するためには、さらに人工の王台板を1枚増やします。


  巣箱の中に巣枠と人口王台を入れる。 現在の巣箱が普及してからは、巣を壊したりミツバチを殺さずに、内検や採蜜が簡単にできるようになった。

 

 

 

 養蜂では「内検」と呼ばれる巣箱内部の点検が欠かせません。巣箱を開けて、女王バチの状態、ハチミツや花粉の量などを確認しますが、この時に「燻煙器(くんえんき)」という器具で煙を吹きかけ、ハチをおとなしくさせます。煙に ひるんでハチの勢いが静まったところで、巣箱内から巣枠を取り出します。

 

 上部の蓋をあけて、枯れ草、落ち葉、おがくず、ワラなどを入れて火を つける。日本では麻袋を、タイでは乾燥したトウモロコシの穂軸を使うことが多 い。ふいごで空気が送り込まれ、先端から煙が出る。

 

 

 

 ローヤルゼリーの採乳では、ミツバチに刺されることも少ないのですが、特に食料であるハチミツを採蜜する場合は、ミツバチも攻撃的になります。採蜜の際は、用心のために頭から面布(網)を被り、燻煙器を大いに活用します。

 

 ハチにさされないように頭からすっぽり被り、 腕にゴムを通してわきの 下で止める。かなり、暑い。

 

 

 

 ミツバチごと巣箱を運ぶ際は、専用の金具を使います。巣箱を両側から挟むように引っかけ、天秤棒にぶら下げます。取り外しが容易で、しっかり巣箱を掴む仕組みになっていますが、巣箱1箱は20kg近くになり、上手くバランスを取りな がら運ぶのは難しい作業です。

 

 巣箱を運ぶための金具。

中心部分にスプリングが入っていて、しっかり と固定できる。

 

 

 この他にもいろいろな器具を必要としますが、どんな器具にも勝る一番大切なことは、現地スタッフ全員が、安全で品質の良いハチミツやローヤルゼリーの生産を心がけることだと思います。

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現地レポート

2015年11月号


<写真の解説>

1...古くなった巣箱から新しく交換する。

 

2...養蜂の器具の販売店。

 

3...ハチミツに欠かせない遠心分離機。巣を壊すことなくハチミツが取れ、蜜ロ ウが混入する割合が減るようになった。また巣枠に巣が残るので、そのまま巣箱 に戻すことで再利用が可能になった。

 

4...巣箱

 

5..巣箱と巣枠

 

6..巣枠

 

 

7...燻煙器 

 

8..燻煙するためのトウモロコシ

 

9..面布を被った作業風景 

 

10..面布

 

11..巣箱を運んでいる風景(金具は12のものとは別の種類です。) 

 

12..巣箱を運ぶ金具